2013年9月26日木曜日

最良滑空速度 Speed-to-fly



愛読書クロスカントリーソアリングの最良滑空速度の章では数学的にポーラーカーブを解析し、最良滑空速度が考察されている。

クラブの機体はマクレディリングに書いてある翼面荷重がどう考えても重すぎるので、Excelを使ってSZD-51-1とASW24の正しい最良滑空速度表を作ってみた。

下の手順通りにやればどの機体でも作れるはずだ。

1.ポーラーカーブの入手

クラブのwikiに飛行規定のポーラーカーブを印刷して定規で測ってExcel化した資料があったので使った。ない場合は同じ事をする必要がある…と思う。

翼面荷重はパイロット重量などによって変わるので、翼面荷重比の平方根を沈下率にかけて補正する。

2.近似曲線を引き、接点を求める

ポーラーカーブを適切な曲線で近似して接線を考える。

Ws:沈下率  V:対気速度  a b c d e:定数 とおく。

2次で近似するのであれば、

Ws = aV^2 + bV + c

3次で近似するのであれば、

Ws = d/V + eV^3

a~eの定数は巡航速度のあたりでうまくフィットするように選ぶ。

2次のほうが楽なのだが、どうしてもうまく合わない速度域がある。Jr.のような遅い機体なら実用上問題ないのだが、24だと3次で近似する必要があるかもしれない。

ASW24 青:元データ 赤:2次近似 緑:3次近似

イマイチフィットしないのだが170キロ以上出すような条件はあんまりないので問題無いだろう。

微分して接線を求める。3次になるとまともに解くのが辛いのでゴールシークで解く。
接線とy軸(沈下率の軸)との交点が0.5m/s刻みで1~7m/sになるような13本の接線を引き、それぞれの接点を求める。

3.最良滑空速度表を作る



接点を求め、近似式により沈下率を計算し最良滑空速度表を作る。
例としてマクレディ1の時を解説する。

交点1の時の速度は129.087278、沈下は-1.0237291なので右の表の一番上に記入する。
次の行には速度140.863464を記入する。(交点)-(マクレディ) = 1.5 - 1 = 0.5なので大気の沈下率は-0.5である。沈下-1.2299439に大気の沈下率-0.5を足し記入する。
次の行には速度151.172072を記入する。(交点)-(マクレディ) = 2 - 1 = 1なので大気の沈下率は-1である。沈下-1.4472163に大気の沈下率-1を足し記入する。

これを繰り返して、表の沈下率が-5程度まで作れば完成。

マクレディリングもこの表があれば作れるが円形に数字を配置するスキルがないので綺麗に作れなさそうだ。

4.使い方

マクレディ値を決め、決めた値の表を見てバリオの指示値に最も近い速度にセットする。
速度が変化するとバリオ指示値も変化するので再度速度セットし直す。
だいたい合ったら最良滑空速度である。

マクレディ値はサーマルを離脱するときの上昇率(終期上昇率)にセットし、離脱した次のサーマルはマクレディ値以下だったら旋回しないで通過する。
終期上昇率=初期上昇率を守ることで、マクレディ理論的に最速で飛ぶことが出来る。
トップが高ければマクレディ値を上げ、あんまりトップから離れてしまうようなら下げて飛行中に条件に応じて変えていく必要がある。

参考にしたサイト http://interessante.blog12.fc2.com/blog-entry-26.html

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